マーラー交響曲第8番

 

May 2, 2008
Verizon Hall
Symphony of a Thousand

The Philadelphia Orchestra

Christoph Eschenbach, conductor


Christine Brewer, soprano
Michaela Kaune, soprano
Marisol Montalvo, soprano
Stephanie Blythe, mezzo-soprano
Charlotte Hellekant, mezzo-soprano
Anthony Dean Griffey, tenor
Franco Pomponi, baritone
James Morris, bass


The Philadelphia Singers Chorale, David Hayes, music director
Westminster Symphonic Choir, Joe Miller, music director
Mendelssohn Club of Philadelphia, Alan Harler, music director
The American Boychoir, Fernando Malvar-Ruiz, music director

MAHLER Symphony No. 8 ("Symphony of a Thousand")


思い出に残るコンサート、をいくつか挙げるとしたら、これからは絶対にこのコンサートも含まれるだろうな・・というくらい、すばらしい演奏会だった。

マーラー交響曲第8番は、演奏規模の大きさのため、「千人の交響曲」などとも呼ばれている。編成規模の大きさのせいで、そんなに頻繁には演奏されないのが残念なくらい、すばらしい作品。厭世的というか、暗い感じの曲が多いマーラー交響曲の中でも、一際ポジティブな音楽。声楽のすばらしいアンサンブルに浸されて、本当に至福な時間を過ごした。


(写真:オケの真裏に少年合唱団、そのさらに後ろはテノール、バス。アルト・ソプラノはやや両脇に、オケと同じく対向配置的な陣取り。これがより美しいハーモニーの効果を出していた。)

この曲をフィラデルフィアオケが演奏するということには歴史的な意味もある。1916年、当時のフィラデルフィア管の首席指揮者だったストコフスキーによる演奏は、アメリカにおけるこの曲の初演となった。そんなフィラデルフィア管的に歴史的意味のある曲を、音楽監督としてのシーズン終盤に持ってくるあたりがいい。

印象に残ったソリストを挙げるとすると、Michaela Kaune。Rシュトラウスの「ばらの騎士」のゾフィーとかを歌って欲しくなるような、天上に登るような高音に泣きたくなる、という感じ。・・でも調べてみると「ばら騎士」ではマルシャリン役をやっているみたい。ドイツ出身で、ヨーロッパの主要オペラハウスで活躍中とのこと。


それにしても今日の観客のエッシェンバッハへの拍手は熱かった。こんなに支持されているのに監督を降りるってのがとても残念だと思う。

(写真:満席のKimmelセンター。)