フィラデルフィアオケ ブルックナー、シベリウス

April 25, 2008
Verizon Hall



The Philadelphia Orchestra
Christoph Eschenbach, conductor
Vadim Repin, violin


SIBELIUS Violin Concerto
BRUCKNER Symphony No. 6



今シーズンを最後に、フィラデルフィア管弦楽団音楽監督を降りるEschenbachによる指揮。このプログラムを含む、定期公演の残り4プログラムを彼がすべて指揮する予定となっており、その最後を飾る一連のプログラムの最初となったのが今回の演奏。

Repinはシベリア出身のバイオリニスト。現在はドイチェ・グラマフォンと専属契約を結ぶ一流の演奏家だが、何しろまず音が美しかった。第一音からぐぐっとくる。ちょっと冗長な感の表現も多かったもの、すばらしいコンチェルトを聴かせてもらった。多数のスタンディングオベーションに対して、定期演奏会にしては珍しいアンコールも!

後半のブルックナー交響曲6番は、まさに今シーズン終盤、音楽監督としての仕事も終わりが近い今にぴったりな感じの曲。基本的にポジティブなパワーをもちつつ、ハーモニーと曲の構成のロジカルさにどこか壮大なものへの畏敬の念というか、神聖さというか、謙虚さを感じさせる。とりわけ第二楽章あたりの複雑なハーモニーを、フィラデルフィアオケのすばらしい音で聴けて本当に満足。エッシェンバッハとともに私も留学の終了により間もなくフィラデルフィアを去るわけだが、こんなすばらしい演奏をこうして日々楽しませてくれたフィラデルフィアオケとエッシェンバッハにあらためて感謝、である。世界トップクラスの「地元オケ」を持つ都市はやっぱり良いなあと思う。将来はそういう町に住みたい。