鈴木佐英子、鴨川華子 フルートとチェンバロの愉しみ Vol.10

2014年12月7日(日) 
近江楽堂


フルートとチェンバロの愉しみ Vol.10
フランスの愛・ドイツの威厳


鈴木佐英子(フルート)/鴨川華子(チェンバロ)



F.クープラン 「恋のうぐいす」
シェドヴィル「ソナタ g-moll Op.13-6」
F.クープラン 「優しい恋わずらい/神秘のパリケード/羊飼いたち」(チェンバロ・ソロ)
ルクレールソナタ e-moll Op.9-2」

ヘンデルソナタ D-dur HWV371」
ブクステフーデ「プレルーディウム g-moll BuxWV163」(チェンバロ・ソロ)
J.S.バッハ組曲 c-moll BWV997」

フランスの愛、ドイツの威厳と名付けられた今年のプログラムは前半と後半とで全く雰囲気の違うプログラムの組み合わせというおもしろいものだった。
フランスものってどうしても、ふわふわした感じで何か物足りない感じがしてしまうのは、ひょっとしてこの手の音楽が近江楽堂という場で着席して聴くような場に合ってないというのも一因なのではないかなどと考えた。

後半はいつものドイツバロックで、お客さんの拍手もひときわ大きい。でもこれはフランス/ドイツの作風の問題や、そうはいってもドイツバロックを聴き慣れた人が多いということだけではなくて、このヘンデルやバッハといった超メジャー作曲家の抜群の能力の高さによるものなのかもしれない。

尚、ブクステフーデという作曲家の名前はもちろん初耳だったのだが、若いころのバッハを魅了した、北ドイツリューベックで活躍した作曲家とのこと。非常に説得力のある音楽で、もっと注目されてもよい作曲、と演奏者の鴨川さんがプログラムノートにお書きになっておられるのもなるほど納得、であった。