フィラデルフィアオケ 諏訪内晶子

2014年6月2日
サントリーホール

フィラデルフィア管弦楽団 Philadelphia Orchestra
ヤニック・ネゼ=セガン 指揮 Yannick Nézet-Séguin
諏訪内晶子 ヴァイオリン

チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 o.p.35
チャイコフスキー 交響曲第6番 ロ短調 o.p.74 「悲愴」


実に2008年5月以来6年ぶりに聴くフィラデルフィアオケ。コンマスや各パートの首席奏者らも6年ぶりに見ると少し歳をとったのがわかり感慨深い。
最初の弦の音が鳴った瞬間、「あ、この音!」とため息が出てしまう。よく「シルクのような」と形容される弦の音が、このオーケストラの最大の魅力と個人的には思う。
ちょっとアクセルを踏むだけですごい勢いで自律的に走り出すF1のような、とでもいおうか、各パートがすごい音を繰り出してうなりを上げながらアンサンブルが出来上がっていく、、そんな勢いに圧倒されるコンサートだった。

セガン氏の指揮はタテを合わせに行く部分と、全然そういう意図で振ってない部分とが明確に分かれていて、よくこんな勢いでアンサンブルがもつよなあ、という(いわゆるスリリングな)部分が多々ある感じの引っ張り方で、これがオケの自然なエネルギーをうまく引き出していたような気がする。ただ、表現は端正というよりは全体に勢い、という感じで、好き嫌いは分かれると思う。

諏訪内さんのバイオリンは実は生で聴くのはこれが初めてだったが、勢いの中にも常に華麗さのある本当に素晴らしい演奏だった。これを機にまた別の演奏も聴きに行きたいと思った。