原田圭
2007年8月3日 杉並公会堂大ホール
夏のトリプル・デュオコンサート第一部 リブラン*ローズ 琴とフルート デュオ
洋と和のハーモニー
渡辺正子(琴)・浅野久江(フルート)
三木稔「秋の曲」他第二部 メゾソプラノ・バリトン デュオ
夏の夜に聴く〜オペラ名曲の夕べ
原山桃子(メゾソプラノ)・原田圭(バリトン)・小松紀子(ピアノ)
ビゼー歌劇「カルメン」より、「闘牛士の歌」
サンサーンス歌劇「サムソンとデリラ」より、「あなたの声に心は開く」
モーツァルト「フィガロの結婚」より、「恋とはどんなものかしら」
「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」
モーツァルト「コシ・ファン・トゥッテ」より二重唱「ハートをあなたに差し上げます」
「女よ、君らはよく浮気する」「来いは盗人、魅惑の蛇よ」
モーツァルト「魔笛」より、パパゲーノのアリア、パパゲーノとパパゲーナの二重唱
ガーシュイン「ポーギーとベス」より二重唱「Beth, you is my woman now」第三部 ハーモニューズVII ピアノデュオ
石橋直子・馬場祥子
3つの異なる「デュオ」コンサートを同時に披露してくれる面白い趣旨のコンサート。
残念ながら第三部のピアノデュオは聴くことが出来なかったが、第一部、第二部の演奏はしっかり満喫できた。
第一部は琴とフルートによる演奏。琴と尺八のためにかかれた日本の名曲を中心に、演奏者二人によって作曲された曲の演奏も。そもそも琴の生演奏をまともに聴いたのはこれが初めてだったのだが、その音色に感動。洋楽器のハープと比べると、楽器としてやれることの制約が多いが、やはり琴にしか出ない独特の音色は良い。また、ハープにはないベンディングやグリッサンドといった技法が独特の味わいを出す。洋楽器のフルートとの相性も予想以上によく、杉並公会堂の残響の多いホールに気持ちよく響き渡っていた。
第二部はオペラのアリアを中心とした演奏。曲の間に、アリアの場面の解説が入る。フィガロの結婚を簡単に説明するのはとても大変だと思うが、それを最小限の時間を使ってうまく纏めていたのには演奏とは別の次元で、とても関心した。
歌の方は、原田氏のいつもながらの美声のバリトンはもちろん、メゾの原山さんの声もとても気持ちよく聴くことができた。メゾとは言っても結構ソプラノも歌えてしまう?という感じの美しい高音。今後の更なる活躍が楽しみ。バリトンの原田さんは、安定感のある演奏に加えて、コミカルな演技がとても効果的で、会場の雰囲気を和らげる。専門ではないはずなのに、アドリブを交えた余裕あるトークも完璧。