フィラデルフィアオケ、Janine Jansen

April 20, 2007

The Philadelphia Orchestra
Donald Runnicles, conductor
Janine Jansen, violin


BRUCH Violin Concerto No. 1
ADAMS Harmonielehre




ジャニーヌ・ヤンセンは今時の?美貌系バイオリニストの一人。

今日は赤のちょっと変わった感じの目を引くドレスで登場。

実際聴いてみて・・・音はキレイだし、ブルッフをロマンチックに弾いてくれていい感じではあったのだけど、どうも細かいところで音程のずれが気になったり、オケとの掛け合いがいまいちだったり・・物足りない感じ。オケとの関係はプログラム初日だから仕方ない面もあったかもしれないけど。結果お客さんの拍手も少なめ。いまいち盛り上がりに欠ける演奏でした。

オケがコンマスはじめチェロの首席奏者等がいつものベストメンバーでなかったことも、なんとなく盛り上がらなかった一因だったかもしれない。


後半はJohn Coolidge Adamsというアメリカは西海岸の作曲家による現代曲。ミニマル・ミュージックといって、小さな音形の繰り返しを基礎として音楽を作る手法をよく用いる人らしい。なるほど、細かいフレーズの繰り返しが、たとえば海の波に反射する光のように、重層的な色彩感を作り出すという効果を生んでいた。

個人的には、現代曲はそれなりに楽しんで聴ける方なんだけど、今回は全く駄目だった。手法は面白いかもだけど、なんというかとても表面的な感じがした。色彩感にあふれていて、ひょっとしたらオペラとか舞台モノの情景描写に適した表現方法かもしれないけど、絶対音楽として聴くと、「So what?」という感じ。アクション・ペインティングを見た感じ。ドビュッシーの「海」を強烈にラディカルに現代的にして、曲の「流れ」を葬り去った感じ。もう彼の作品は二度と聴くまい。

オケはこれまで見た中で最大の布陣で、管楽器、打楽器部隊は大活躍だったのだけど、曲が曲だけにお客さんの反応は散々。指揮者がさって早々に拍手がなりやんでしまいそうなくらい。演奏者は頑張ったのに、報われない曲でかわいそうだなあと思った。

指揮者はサンフランシスコオペラの監督。オペラをぜひ見てみたいと思った。