WICS

WICS(Wharton International Culture Show)が終わった。

これは文字通り文化を紹介するショーで、Whartonに集まっている多様な学生ら自身が、各国・各文化の伝統芸能などを披露するもの。4/4、5と二日間にわたって公演が行われ、入場料を20ドルもとって何気にしっかりとしたホールで開催される。

我々日本は今年は2チームが出演。自分の参加したチームは「Traditional」チームで、古謡「さくらさくら」の演奏+空手のデモンストレーションという内容を披露。その名も「Sakura & Bushido」。もう一方は、「現代版」ということで、過激コスプレ衣装にて「パラパラ」を披露。これがまたものすごく盛り上がった。

僕は忍者の格好をしてギターソロでさくらさくらの一部をプレリュード的に演奏。そこそこうまくいって個人的にはそれなりに満足の演奏だったのだけど、忍者の格好をして顔を隠していたため、誰が弾いていたのか分からずいろんな人に、「え、君だったの?」と言われ驚かれることがしばしば・・。


それにしても今回の企画ではいろんなことを学んだ。とりわけ、日本人の仕事の進め方がとても緻密で着実であるということ。

今回の企画の運営委員はアフリカ系アメリカ人及びインド人がメインだったのだけど、運営委員でありながら打ち合わせに遅刻してきたり、有料のシリアスな企画であるのにも関わらず本番前日まで演目の順序が変わるなどの重大な変化があったり・・と、自分及び日本人のメンバーにとっては信じられないようなずさんな運営。
結果として、自分たちの演奏・演技には問題はないのに、照明やBGMのコントロールなどの面(=運営委員が会場のスタッフとのコミュニケーションを全統括するという体制・・)に不安を感じて、とてもストレスを感じた。結果としてはうまくいったが、その過程では大して複雑でもない照明等の指示を、パワーポイントでビジュアルに纏めて本番直前に説明しなおしたりと、本来しなくてもいいはずの余計な手間が発生した。

「本番で(最終的に)うまくいけばいいんでしょ」というスタンスは、普段アメリカ人を中心とするグループで課題とかをやっている過程でもよく感じるところ。もっと段取りを事前に決めて、着実にゴールに到達するべく準備をして、グループとして相互にチェックをしつつ仕事を進めることに慣れている自分にとっては、いつもいろんなことが危なっかしい。最終的につつがなく処理しているあたりは立派だけど、その過程におけるストレスは大きいし、色々な不確実性が伴う結果、非常に非効率な作業を強いられることも。

程度の差こそあれ、これは少なくともこれまでの経験からすると、かなりのアメリカ人に共通の仕事の進め方のような気がする。個人の責任を重視する結果、自分の責任範疇を気にしさえすればよくて、その自分の仕事の進め方が全体にどういう影響を与えるのかについての配慮が欠けがちになる・・ということなのかな。メカニズムは良く分からないけど、こういう文化ごとに異なる「仕事の進め方」に慣れないと、グローバル企業のマネージメントはできないんだろうなあ、と思った。プロセスマネジメントは日本のやり方が絶対的に優れているのは間違いないのだけど、それを別の文化においてどこまで押し通せるのか。結局不安だから、日本人でやってしまいたいという心境が働き、結果として海外拠点の現地化が進まない・・・というのも真実の一面なのではないか。