フィラデルフィアオケ定期


March 30, 2007
Verizon Hall
Schumann's Piano Concerto

The Philadelphia Orchestra
Yakov Kreizberg, conductor
Lars Vogt, piano

SCHUMANN Piano Concerto
SCHMIDT Symphony No. 4


今月3回目の定期演奏会はお気に入りのLars Vokt出演。
シューマンのコンチェルトは生で聴くのが初めてだったのだけど、よい演奏に触れることができて大満足でした。

つい先日アルゲリッチを聴いたばかりで聴くVokt。同じホールで同じような席で聴いているわけだから、音の響き方とかどうしても彼女と比較をしてしまって・・・。Voktを生で聴くのはこれが3回目。最初は03年くらいのN響「夏」という企画で聴いたブラームスのコンチェルト1番。音のきれいさとロマンチックな表現に聞き惚れて以来のファン。もともと丁寧にキレイな音を出す人、というイメージがあったのだけど、今日はとりわけ前半の音には違和感を感じた。ただ、後半に行けば行くほど、こっちが音楽にどんどん引き込まれていったせいもあるのか、ピアニストのテンションが上がったせいか、最終的にはとても満足のいく演奏。スタンディングオベーションも多数。Voktが良かったのも事実だけど、指揮者が比較的スローテンポで演奏された音楽をよく盛り立て、ピアニストの良さをうまく引き出してたような印象だった。

後半のシュミットは初めて聞く曲。シュミットはそんなに有名でないのだけど、最近再評価されつつある人とか。なんでもナチスのために曲を書くのを引き受けた(結局本人は作品を作る前に死んでしまったのだけど)ということもあって、不当に過小評価されてきたらしい。
この交響曲は1933年の作品で、時代の割には古典的な、だけど決して前衛的でないわけでもない感じの音楽。そういう意味では、近現代の音楽を嫌う人でもすっと入りやすい曲かも知れない。個人的にはとても楽しめた。安定した管、美しい弦(とりわけ第二楽章のチェロのソロはすばらしかった)、そして結構特徴的な指揮ぶりのYakov Kreizbergの力量に負う面は大きいのだろう。正直聴きながら、この複雑なアンサンブルは、しょぼいオケで聴いたら帰りたくなるだろうな、とも思った。