上原ひろみ

ymellon2007-03-30


March 30, 2007
@ Zanzibarblue, Philadelphia


ジャズピアニスト、上原ひろみのライブに行ってきた。
フィラデルフィアくんだりまで来てくれるだけで大満足。でも何気にフィラデルフィアってジャズに関してもそこそこの場所らしい。さすが全米第五の都市。何事もそれなりにそろっているのがいい。

彼女の演奏は、出始めのころから気に入っていて、これまでリリースされたCDは一応すべて持っている。つい先月、日本にて先行発売された最新アルバムは、先日日本に一時帰国した際に見かけてはいたのだけど、輸入版のほうが安いし・・と思って買わなかったのだが、今日の演奏は基本的にこの新アルバムからのナンバーを中心にしたもの。

(最新アルバムから演奏されたもの・・曲紹介があったものだけ)
Time Travel
Time Difference
Real Clock vs. Body Clock = Jet Lag
Time Control, or controled by time

(昔のアルバムから)
If... ("Brain"収録曲)

トリオ編成を中心にしていたこれまでと異なり、最新アルバム「Time Control」はギターを含めたカルテット中心の演奏。彼女のピアノを聴きたい人にとっては実は寂しいことなのかもしれない。でもギターとの掛け合いを楽しむことができるようになった・・・し、こういう編成で聴くと、あらためて彼女のアンサンブルを重視した演奏スタイルみたいなものを感じることができる気がする。

演奏は・・・生で聴く彼女の演奏はやっぱりすごかった!どこに連れて行ってくれるのか分からない緊張感のあるソロ、完璧なリズムで刻まれる幾何学的なリフ・・・。久々のジャズだったのに、演奏始まった直後、すぐ別世界に行ったかのように演奏に引き込まれて・・。

そして実は一番ぐっと来たのは、アンコール。なんと日本古謡の「さくらさくら」をピアノソロで演奏。
これ、実は日本のテレビ番組で放映されたものをたまたまYouTubeで見ていたのだけど、当然、時間の制約の多いTV番組での演奏とは大きく違ってとてもスケールの大きい演奏だった。たまたま今学校の文化紹介行事でこの曲を演奏すべく準備していたところだったこともあり、感動もひときわ大きくなった。

残念ながら今日はすべてが○だったわけではない。ライブハウス自体はフィラデルフィア的には結構有名なところらしいのだけど、これがものすごくひどかった・・・。彼女だってあんなコンディションのところで演奏することってそんなにないのではないか。まずPAがひどい。音のバランスがめちゃくちゃ(だからアンコールのピアノソロの印象がより際立って良かった、というのもある)。それからピアノの音。マイクでの音の採り方も悪いし、ピアノ自体も悪い・・。イメージでいうと、アマチュアのバンドが演奏する下北沢のライブハウスよりももう少しひどいくらいな環境・・。いやはや。今後はよっぽどの人でない限りここでは音楽を聴くのはよそうと思った。

でもそんな感じのライブハウスだからこそ、演奏後の彼女にはとても簡単に話しかけることもできた。その場でCDを購入し、ミーハーにサインまでもらった上、たまたまカメラを持参していた知人に写真まで撮ってもらったり・・・。彼女とは一瞬しか話はしてないけど、とても素敵な感じの方。いやはや。生に触れると感動はより大きくなる。ますますファンになりました。