ymellon2007-01-12


January 12, 2007
Verizon Hall

The Philadelphia Orchestra
conductor: James Conlon
piano: Jonathan Biss

Mozart Overture to THe Impresario, K.486
Mozart Piano Concerto No.21 in C major, K.467
Shostakovich/arr. Conlon Suite from "Lady Macbeth of the Mtsensk District"



Conlonは現在ロサンゼルスオペラの音楽監督。Bissはアメリカ生まれの若手ピアニスト。今月末には名古屋、東京でコンサートもやるらしい。

モーツァルト・イヤーだった昨年には意外にも一度も生で聴く機会がなかったモーツァルトのピアノコンチェルト。久々で嬉しい上に、21番を生で聴くのは初めて。Verizonホールは本当に音響がすばらしいので、Philadelphiaオケの弦の響きの上を漂うピアノに酔うすばらしい時間でした。

後半は、うって変わってショスタコーヴィッチ。彼がまだ23、4のころに作ったオペラ"Lady Macbeth of the Mtsensk District"は、1936年の発表後すごく好評を博してすぐさま世界各地で演奏されるようになったのだけど、スターリンが聴いて不快感を示したため、その後お蔵入り。この件はショスタコーヴィッチにとって初めて、自由な芸術創作活動ができないことを思い知らされた事件で、彼の「束縛」された音楽家人生の始まりを告げる事件だとか。

スターリンの死後、再び演奏されるようになったものの、そんなに頻繁に演奏されている演目でもない。すばらしい音楽にあふれているこのオペラを、今日の指揮者のConlonがもっと多くの人に届けたいとの思いでコンサート向けに編曲したのがこの曲。なんでもオペラの中に間奏曲みたいなのが5曲くらい入っていて、それをすべていれた上で、オペラ中に出てくる印象的な音楽を組み合わせてできたとのこと。

演奏前に指揮者自らこの曲の歴史なりを説明してから始まったコンサート。指揮者が「モーツァルトと並んでオペラと交響曲の両方の世界で大成功した(はずだった)類まれな天才」と形容するショスタコーヴィッチのすごさに触れることができました。なるほど、モーツァルトとのカップリングの演目にしたのはそういう意味があったのですね・・。

万が一このオペラが上演されることがあれば、必見です。