新日本フィル・スピノジ

2015年2月20日
サントリーホール

新日本フィルハーモニー交響楽団定期演奏会


■プログラム
ロッシーニ作曲 歌劇『チェネレントラ』序曲
シューベルト作曲 交響曲第3番ニ長調 D.200
サン=サーンス作曲 交響曲第3番ハ短調『オルガン付き』 op.78

■出演者

指揮:ジャン=クリストフ・スピノ
オルガン:松居直美


ピノジさん、すごく大げさに長いポーズ、タテが合わない、腰の入らない前のめりなリズム感・・というのが全体に言える感じの演奏で、シューベルトは全く良いと思わなかった。(なのにブラボーが多数なのは非常に意外。アイドルみたいな元気なパフォーマンスに喜んでいるだけなのではないか?それとも単にブラボーおじさん定期会員が新日本フィルに多いのか?)。 あのアンダースローみたいなくるくる腕を回す指揮がワンパターンで、そのうち笑えてきてしまったので目を閉じて演奏を聞いていたが、たぶんあの「くるくる腕巻の指揮」が腰の入らない前のめりを生んでいるような気がする。

でも後半のサンサーンスは、フレーズの後半に巻きが入って少し早めに次のフレーズが生まれてきて、、、という前のめり感とか、タテを合わせに行かない感じが曲にぴったりあって、なかなか素晴らしい演奏。やはりフランス物はフランス人の感覚で指揮するべきということなのだろうか。

今日は取引先様から頂いた招待券で観賞。サントリーホールのあんなにいい席で聴ける機会はもう二度とないんじゃないかという絶好のポジションで聴くことができた。前半のシューベルトではせっかくの重要な木管フレーズがあまり聞こえてこなくて、曲の輪郭が弱まってしまった気がしたので、天井の高いサントリーホールのせいで、1階席だと木管が聞こえにくかったりするのかなあ、と思ったが、後半はちゃんと木管がしっかり聞こえたので、単に指揮者のコントロールの問題だったのだろうか。一方後半は、オルガンもっと大きくてよかったんじゃない?と感じたが、これもひょっとすると2階席にはちょうどよかったのかもしれない。過去に聴いたこの曲だと、逆にオルガンがうるさく感じたものも多かったので、きっとホールごとにどの席に合わせて調整するか、というのが難しいのだろう。