片山将司 バスリサイタル

2012年5月30日
日暮里サニーホール

バス 片山将司
コントラバス 西山真二
ピアノ 相田久美子


プログラム

第一部

1. 荒城の月
  土井晩翠作詞/滝廉太郎作曲
2. この道
  北原白秋作詞/山田耕筰作曲
3. 初恋
  石川啄木作詞/越田達之助作曲
4. 悲しくなった時は 
  寺山修司作詞/中田喜直作曲
5. 憧れを知る者のみが 
  ゲーテ詩≪ヴィルヘルム・マイスターの修行時代≫より「ミニョンの歌II」メイ露訳/チャイコフスキー作曲
6. 騒がしい舞踏会で 
  A.トルストイ作詞/チャイコフスキー作曲
7. 森よ、お前たちを祝福する 
  A.トルストイ作詞/チャイコフスキー作曲
8. 恋はどんな年齢にも勝てない 
  チャイコフスキー作曲 歌劇「エフゲニー・オネーギン」より グレーミンのアリア


第二部

9. この聖なる殿堂では 
モーツァルト作曲 歌劇「魔笛」より ザラストロのアリア
10. この麗しい御手と瞳のために 
モーツァルト作曲 バスとコントラバスのためのコンサートアリア(K.612)
11. 永遠の別れ・・・悲しい胸の思いは(プロローグ) 
ヴェルディ作曲 歌劇「シモン・ボッカネグラ」より フィエスコのアリア
12. 夫としての・・・父としての・・・穏やかな喜び(第二幕) 
ゴメス作曲 歌劇「サルヴァトール・ローザ」より 公爵のアリア
13. 「四つの厳粛な歌」 ブラームス作曲(Op.121)

久しぶりの歌モノのリサイタルに行ってきた。
片山さんの歌をリサイタル形式で聴くのは2010年の11月以来2回目。前回と結構重なるプログラムが多かったが(バスの曲って少ないんでしょうね)、1年半という時間の経過による更なるパワーアップ?に加え、細かいニュアンスまでしっかり聴きとれるホールの影響もあってか、音楽にどっぷり浸りこめるすばらしい演奏会だった。

「バスリサイタル」はあまり頻繁には目にしない。ソプラノやテノールならともかく、バスで間がもつのだろうか(しかもゲストの器楽演奏者もコントラバスだ)、最後の方は「もうおなかいっぱい」みたいになるんじゃないか、、、と少しだけ心配していたが、全くの杞憂であった。様々な表情を持つ音楽を本当に繊細に表現されていて、それが100%満喫できる環境で聴けたのは本当に贅沢な時間だった。片山さんの表現力の深さ、とりわけ悲劇的な表現や哀愁漂う表現の秀逸さ、宗教的な厳粛さみたいなものをすっと出せてしまう所など、本当に素晴らしいなと思った。

ゲストの西山さんのコントラバスは、この楽器ってこんなに完璧に弾けちゃうもの??と驚愕するくらい素晴らしい演奏。ピアノの相田さんはもうほんとにオーケストラの音が聴こえてきそうな、素晴らしい伴奏だった。


個人的な備忘メモとして、、

気にいった曲、演奏: 
4.悲しくなったときは(片山さんにしか出せないなんとも抒情的な表現が素晴らしい。いきなり開始早々涙が出そうになるほどの感動。。)
6.騒がしい舞踏会で(同上。哀愁漂う感じがお似合い)
10.この麗しい御手と瞳のために(超絶技巧のコントラバスとのアンサンブルが素晴らしい)
11.永遠の別れ・・・悲しい胸の思いは(やっぱりイタリア物はいい声が出ますね)
12.夫としての・・・父としての・・・穏やかな喜び
13.四つの厳粛な歌   (前回よりもよりしっかり楽しめた。相田さんのすばらしいピアノもあってか、ブラームスの曲の構成の壮大さがとても立体的に伝わってくる演奏だった。)