メータ 「第九」チャリティコンサート

日時 4月10日(日) 16:00
会場 東京文化会館
曲目 ベートーヴェン交響曲第9番 ニ短調 op.125
指揮 ズービン・メータ
出演 並河寿美(S)、藤村実穂子(Ms)、福井敬(T)、アッティラ・ユン(Bs)
演奏 NHK交響楽団
合唱 東京オペラシンガーズ

演奏前にメータのスピーチと会場全員での一分間の黙祷。そして、第九の前に、バッハのG線上のアリアを演奏し、そのままの流れで第九の第一楽章の演奏を開始する、という始まり。この時期にこの日本でこの曲を演奏するということの意味を、会場にいる人全員がそれぞれの立場で強く意識をしながらのコンサートであることをとても強く意識させられた。時間を共有する音楽という芸術ならではの、共感を呼び起こす力の強さを改めて感じた。

演奏は言うまでもなく素晴らしかったが、特に印象深かったのは東京オペラシンガーズの合唱。この団体、オペラのソリスト集団なので、上手さと力強さがふつうの合唱とは次元の違うものだった。こんなに力強い第九の合唱を聴いたのは初めて。東京文化会館という、大きすぎず、また残響のうるさくないホールのおかげで、演奏の細かいニュアンスもつぶれずに伝わってきて、本当に「がつん」とくる演奏だった。

演奏後は合唱の最後の一人が退場するまでずっとスタンディングオベーションが続いた。このコンサートの関係者みんなに感謝したい、そんな素晴らしい演奏会だった。