パリ管

2007/6/7 @Salle Pleyel, Paris
Orchestre de Paris
Conductor: Christoph Eschenbach
Violin: David Grimal

MAURICE RAVEL Alborada del gracioso
CAMILLE SAINT-SAENS Havanaise, pour violon et orchestre
MAURICE RAVEL Tzigane, rhapsodie de concert pour violon et orchestre
CLAUDE DEBUSSY Iberia
CLAUDE DEBUSSY La Mer


名門パリ管弦楽団の定期公演。演目はオール・フランス・プログラム、とも呼べるもので、このオケを聴くにはぴったりに思えた。さらに、指揮はこのオケの音楽監督でもあるエッシェンバッハ。ちなみに彼はフィラデルフィアオケの音楽監督でもあり、欧州ではパリ管のほかにも確かドイツのどこかの歌劇場の音楽監督をしている多忙な人。彼の指揮するフィラデルフィアオケの演奏はいつも完成度が高くてとても満足しているので、今日の演奏もきっと・・と思ってチケットを購入。

実際に聴いてみて・・・La Merはとても素晴らしい演奏だったと思うけど、他がどうもイマイチな感じ。期待が大きすぎると良くない。オケの動きが重くてなかなか乗ってこない感じ。弦の音はしっとりとして美しいハーモニーを聴かせるのだけど、ホールのせいもあるのか、どうも響きが少なくてボリュームがない感じ。逆に管や打楽器の音が大きくて、音のバランスの悪さを感じた。

一番不満を感じたのはバイオリニストのGrimal。難しそうな曲をすらすらと弾くんだけど集中力の高まりとか緊張感を全然感じさせない演奏。音程の乱れも気になる。前半のコンチェルト物に感じた不満のほとんどはこのバイオリニストのせいだと思う。それなのにアンコールまであって、辟易。


(写真:Salle Pleyel入り口につながるホール。とても小さくてシンプルな建物。)

Salle Pleyelはパリ管の本拠地ホールで、つい2年ほど前に完成したばかり。比較的小さな造りで、内装はいたってシンプル・モダン。したがって音響も良いだろう、と思っていたら、前述の通り、管はよく響くのだけど弦の音がどうもきれいに響かない。つくづく、音響の良いホールの設計がいかに難しいものなのかを感じた。