フィラデルフィアオーケストラ

2016年6月4日
サントリーホール


オーケストラ: フィラデルフィア管弦楽団
指揮: ヤニック・ネゼ=セガ
ヴァイオリン: 五嶋 龍



J.シュトラウスII: ワルツ「ウイーンの森の物語」
プロコフィエフ: ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 op.19
ブラームス交響曲第2番 ニ長調 op.73

(アンコール)J.S.バッハストコフスキー編):「羊は安らかに草を食み」(カンタータ「楽しき狩こそ、わが喜び」BWV208より)

セガンのフィラ管はこれで2回目だが、「統制された」感がしない、のびのびとした演奏という印象を与えるのがこの人のすごさなんだろうなと思った(個人的にはもう少しメリハリを感じさせるところがあってもいい気がするのだが)。
このオケの音の素晴らしさに身をゆだねる贅沢な時間は至福以外の何ものでもない。ベテランのオーボエ、Richard Woodhamsさんも後半のブラームスに登場、人の声を感じさせるような表情豊かな演奏はさすがの一言。
五嶋龍プロコフィエフは、推進力、リズム感に欠ける印象。第三楽章の美しさは素晴らしかったし、透明感のある音で表現したい世界観は感じ取れなくはなかったが、やっぱりこの曲はソリストが自律的なリズムでもって引っ張らないといけないのではないか?

最近日本のオケばかり聴いているが、久しぶりにフィラオケを聴くと音の違いに脱帽させられる。音量自体も違うし、木管のアンサンブルの質の高さ、トンでもなく安定して表情豊かなホルン、音程の均質な弦パート・・・ A席25000円のチケットはフィラデルフィアで定期公演を10ドルで聴いてた身からするととんでもなく高いが、5000円の日本のオケのチケットとの比較でいくと、ぜんぜん高くないのではないか、、、、という印象を持った。